立退料(借家権・移転補償・営業補償等)の評価

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立退料

建物の建替えをはじめとする諸事情により、賃貸人からの求めに応じて立退くこととなった場合、賃借人(借家人)に立退料が支払われることがあります。
こうした立退交渉や明渡請求訴訟にあたって、立退料の評価が必要となります。
立退料に法的な根拠はありませんが、賃貸人による解約申し入れにより借家人が被る損失の全部又は一部を補償しようとするものです。立退料を構成するものとしては、借家権価格、営業補償及び移転補償等があり、各案件により補完的、排他的な関係にあります。すなわち、立退料の内容は一様ではなく、案件により多様なものとなります。
さらに、賃貸借契約の締結の経緯、その後の賃料改定の経緯、立退きを求めた事情、契約当事者の状況及び建物の用途、営業の状況等を分析し、客観的で現実的な立退料を評価することになります。
簡易な価格調査
以下の場合には正式な不動産鑑定評価書が必ずしも必要とは限らないため、簡易な価格調査で対応しては如何でしょうか。
事件の見通しを立てるときに正確な価格が知りたい
調停段階や争いが小さい場合の案件において、不動産会社の査定より正確な時価が知りたいが、費用は極力抑えたい

立退料を構成するもの

借家権価格 賃借人が有する借地借家法上保護された権利、利益等の権利立退きにより消滅する利用権
移転実費の補償 立退きにより賃借人が負担する移転費用の補償
営業補償 賃借人が営業している場合、当該営業を休止等することにより生じる損失
造作の買取り 立退きにより賃借人が請求し得る造作の買取り
地縁的・社会的
隔絶変化に対する補償
長期間一定地域において生活した基盤を損失することによる補償
借家権価格
立退料の主たる構成要素の一つ。
賃貸借の対象となる部分が土地・建物全体に占める経済価値の割合、現行の家賃と実勢賃料との格差等をも勘案します。
移転実費の補償
引越し料
居住者等の引越しに要する費用。
新規に建物を賃借りするために要する経費の補償
仲介手数料。現在と同程度の建物を借りるために必要とされる権利金、礼金、保証金等の一時金。
ただし、保証金や敷金といった返還される一時金については現在の賃貸借における一時金との差額。
新規に賃借りする家賃との差額補償
現在と同程度の建物を借りることを前提とした、現在の家賃と新規家賃との差額補償。
営業補償
立退きにより他の場所で営業を再開するにあたって、営業を一定の期間休止する必要があると認められる場合に行われる補償であり(営業休止補償)、以下により構成されます。
休業期間中の収益減の補償
休業期間中に通常の営業を行っていたら収受できたであろう収益の補償
収益減の補償額=年間認定収益(※)÷12×補償月数(休業期間)
年間認定収益:営業利益+営業外収益-営業外費用
固定的経費の補償
休止期間中であっても、通常の営業を行っていた時と同様に支出がある固定的経費の補償
公租公課、水道光熱費の基本料金、営業用資産の減価償却費及び維持管理費、借入地代、従業員の福利厚生費等
固定的経費の補償額=固定的経費認定額×補償月数(休業期間)
従業員に対する休業手当相当額の補償
休業することにより収入を失うこととなる従業員の賃金相当額
休業補償額=平均賃金×補償率(※)×補償月数(休業期間)
補償率:80%(用対連基準細則)
得意先喪失の補償
店舗を一時休業し又は移転することにより、一時的に得意先を喪失し、減収すると想定される収益に対する補償
得意先喪失の補償額=従前1ヶ月の売上高×売上減少率(※1)
×限界利益率(※2)
※1
売上減少率:用対連基準細則
※2
限界利益率:(固定費+利益)÷売上高
なお、営業補償には、立退きにより通常営業の継続が不能になると認められる場合に行われる補償(営業廃止補償)がありますが、限定された業種について例外的に適用されるもので、事例としてはほとんど見られません。
造作の買取
賃貸人の同意を得て建物に付加した造作を、賃貸借契約満了時または解約の申し入れにより賃貸借が終了する時に賃他人に時価で買い取ることを請求できます。
造作とは賃貸人の所有に属し、かつ建物の使用に客観的に便益を与えるものをいい、畳、建具、エアコン等があります。
なお、営業用店舗は、賃貸借契約の時点において、当該営業に適応した店舗の内装、建具の取付け、什器備品等が完備している場合が少なく、賃借人により営業に必要な設備を準備することが通常となります。また、当該店舗が長期にわたり営業することで顧客が定着し、場所自体が当該営業に有利な場所としての経済価値を生じる場合があることにも留意する必要があります。
地縁的・社会的隔絶変化に対する補償
土地や建物の明渡しは、賃借人に対し物的・有形的な損失を与えるだけではなく、長期間一定地域において形成してきた生活基盤を失わせることになり、その精神的・無形的な損失に対する慰謝料的な意味を持つ補償をいいます。
ただし、この補償は財産的補償ではなく、不動産鑑定業務の範疇とは異なるものとなります。このため、具体的事案に則して他の補償との関連性を熟慮した上、客観的に判断されるべきであると思われます。
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